てぃーだブログ › 沖縄の石、土、木、庭のブログ。

2024年04月22日

4月22日の記事



芝生を撤去して庭の作りかえです!






芝生を剥ぎ取ると、写真だとわかりにくいのですが、カイヅカイブキとゲッキツの根が地中の水と空気の動きがあるところを目指して偏った這い方をしているのがわかります。
そして、ちょっと掘ってみると浅根であることも見て取れました。
地下の深いところでの水と空気の動きが鈍いので、根が深くまで行きたがらないのだと思います。





石を敷き込み通路をつくるため、少し深めに掘り下げたところで、その日の夜からものすごい雷雨。
翌日も結局お昼頃まで結構な雨が降りましたので、作業再開は翌々日からとなりました。
庭を掘り下げたところに、この雨はとてもラッキー!
水の浸透がどの程度のものかがはっきりしますので!
作業再開となりますが、水がスーッと浸透していく気配はまるでなく、見ててもわからないくらいじんわりじんわりと超スローペースで浸透している感じ。
これがわかると、どの程度まで何をしたら良いのかが明確になります。





3m弱の擁壁に囲われた庭です。
排水用の穴は開いていますが、上段の穴からはまったく水が出ておらず、下段の穴からじんわりにじみ出ております。
庭の天端から上段の排水口までの高さは130cm。
そこが土が目詰まりして、滞水させているゾーンとなります。





この庭の呼吸と元気を回復させるにはいくつか方法がありますが、
まずはカイヅカイブキとゲッキツのダメージを最小限にすること。
そして予算面でもあまり負担が大きくならないこと。
この二つを考慮して、今回はこんな感じでやってみることにしました。
2カ所の縦穴は排水口まで掘り下げ、
他に9カ所50~70cmの深さの縦穴を掘り通気口としました。
そして、各縦穴を水と空気の動きが出るように高低差をつけながら溝でつないでいます。
そして、溝が後々目詰まりしないように竹筒を入れました。
水と空気の動きがあるところはフレッシュなので、そこは根にとっても居心地がよく、そこを目がけて根を伸ばします。
愛しい子を抱きしめるように、庭全体を根が大切に抱きしめてくれるよう下地の造作をしました。
根が抱きしめるのは土だけではありません。
微生物、ミミズなどの小さな生きもの達の棲み処となりながら、彼らもまるごと抱きしめてくれるのです。
木ってすごいなぁって思います。




さらに、小枝、落葉、炭、燻炭を溝の隙間に入れ込みます。












次に全体的に、落葉、炭、燻炭を敷き込みます。





そして、土をかけて下地のできあがりです。
これは地中での水と空気の動きをよくするだけではなく、庭がちょっとした水の濾過装置としての役割を持てるようにと思い施したものです。





ここは、先日、偶然見つけた海岸です。





とてもきれいな海岸で、海の底のいたるところから水が湧きだしていまいた。
きっと陸地から地中の水脈を通って湧き出ている水でしょう。
きれいにろ過され、命を養ってくれる水です。
あらゆる場所で開発はどんどん進み、こういう場所はずいぶんと少なくなっていることと思います。
水を地中に浸透させることなく、表面排水としてろ過もせず海まで流してしまっては、生態系はますます危うくなり自然は傷んでいきます。
傷んだ自然を回復させ、大地の呼吸を取り戻そうではありませんか。
きれいな自然はきれいなまま後世につなぎ、私たちが汚してしまったところは少しでもきれいにしていきたいものです。
今、私たちにできることはたくさんあります。









太陽が沈む直前まで、ゆっくりすごしました。
美しい自然がありがたく・・・。
  


Posted by 艸木 at 18:47Comments(0)

2024年04月11日

4月11日の記事



イヌマキです。






毎年、キオビエダシャクが大量発生するこの時期に薬剤散布と合わせて剪定をされてきたようです。





裏手にはカイヅカイブキ。
庭は、建物とブロックの基礎で囲われており、水の逃げ道はなく、
土は固く締まり、湿気がたまっている感じでした。
木も元気がありません。
カイヅカイブキは、支柱がなければ強風で簡単に倒されてしまうくらい根元はグラついていました。

農薬散布と剪定の依頼でしたが、
農薬を散布すると、木と協力関係にある他の生きもの達にも影響を及ぼし、ますます木を弱らせてしまう。
木が弱れば、その木を枯らし土に還そうと自然は作用するので、またキオビエダシャクなどの木を弱らせる虫などが大量に発生する。
それでまた、農薬を散布し、ますます木が弱る・・・という悪循環です。
ここは人が痛めてしまった庭ですから、人の手で再生できるきっかけを作ってあげなくては・・・、
農薬を散布するのではなく、庭が元気を取り戻せるよう、処置をするのが先決なのでは、というようなお話をさせていただきました。
そして、今回はこれまで散布し続けた農薬を使うのをやめ、まずは庭の元気を取り戻そうということになりました。
水は浸透するものの、土の中の空気が動かず、湿気がこもるこちらの庭。
カイヅカイブキがある方は、あちこち土を掘りますが、根がほとんどありません。
イヌマキ側は、建物基礎の下に潜り込んだ根が数本と、元気なさげな根が地表10~15cmの浅いところにわずかにあるという感じでした。
基礎の下に根が潜り込んだのはそこの方がまだ空気と水の動きが庭よりもあるからということだと思います。
30年以上、毎年農薬を散布され続けた土の中はミミズなどの虫もおらず、命の気配がありませんでした。

















根がたくさん出てこれるように、溝、大きな縦穴、小さな縦穴には竹、枝葉、炭、くん炭、落葉を入れて土の中の空気と水に流れをつけるのと、微生物や菌糸の棲み処づくりです。
グランドカバーは全面に炭、くん炭、落葉をまいて今回は終了。
イヌマキの剪定はまだ時期が少し早い感じでしたので、改めてということになりました。




毎日顔をのぞかせてくれたオキナワキノボリトカゲです。



  


Posted by 艸木 at 18:23Comments(0)

2024年03月25日

3月25日の記事



虹亀商店さんです。




風が通らず、水が溜まりがちでジメジメしている場所です。
建物が傷みやすくなってしまうので環境を改良することになりました。



写真ではわかりませんが、山の中は獣道のような感じで風が通るように植物をととのえています。
建物の際の滞水しがちな場所は溝を掘ることで改善。
作業後、心地よい風が入ってくるようになりました。
これは建物を長持ちさせたり、床下などのカビを防止し健康に配慮したりということになるかと思います。
隣山の自然と古民家、そしてそこで暮らす人が良好な関係を保つことができます。




風を通し、水を地下に浸透させながら流していきます。





溝堀で出た土は菜園の畝として生まれ変わります。
写真は作業途中のもので、山をととのえた時にあった朽木を少し頂戴して畝の中に入れているところです。



  


Posted by 艸木 at 07:57Comments(0)

2024年03月12日

3月12日の記事



モンパノキです。
海岸沿いなどでよく見かけます。
美しい木だなぁと見入ってしまう。





本部石灰岩を据え、モンパノキとスパイダーリリーを植えました。






石を据え、植栽をしたところは土の中で微生物やミミズなどの小さな生きもの達が過ごしやすいようにしています。





こちらの庭は芝生だけの庭でした。
庭の改修ということで最初はコンシンネとベンジャミンを植え、
次にオブジェの設置、
それからテーブルセット、
そして今回の本部石灰岩、モンパノキとスパイダーリリー。
木を植えるなどしていくと奥行が出てきます!
なにより庭が楽し気になっていい感じです!




オブジェの周りにはシロツメクサ!ニコニコ












  


Posted by 艸木 at 08:32Comments(0)

2024年03月04日

3月4日の記事



クワズイモを植えました!
沖縄の植物は魅力いっぱいです!









アオミオカタニシ!
近所の山ではクワズイモの葉にいるのをたまに見かけします。
準絶滅危惧種として環境省のレッドデータに記載され、
森林開発により生息地が減少し、個体数も減ってしまったようです。
お庭をお持ちの皆さま、もしよろしければ、沖縄に自生している地元の植物をほんの少しでかまいませんのでお庭に植えてみませんか?



  


Posted by 艸木 at 12:03Comments(0)

2024年02月24日

2月24日の記事



剪定したシマトネリコの枝を杭にして・・・、




打ち込んだ杭に枝を編み込んでシガラミのできあがり!
剪定したシマトネリコの葉で土を覆いますので、葉っぱが散らばらないようにするための囲いです。



シガラミで通路を縁取りするだけで歩くのが楽しくなります!
小さな生きもの達の棲家にもなり、植物も元気に!
庭が多様な生態系を保持するようになり、豊かさを取り戻していきます。





「シマトネリコは成長が早く、手入れが大変」という声を聞くことが多いですが
剪定した枝で何か作ったり、葉っぱを土に覆うことで雑草を抑制した上に、庭の土が豊かになる楽しみがわかると、剪定が待ち遠しくなります!

タブノキ、ヤブニッケイ、クワズイモなどが植えられた沖縄でよく見られる植生の雑木の庭と思いきや、アロカシアとかの観葉植物やブロッコリー、ニラ、ナスなどの野菜もしれっと植えている何でもありの「ちゃんぷるーガーデン」です。ピース




  


Posted by 艸木 at 08:46Comments(0)

2024年02月21日

2月21日の記事



クスノキで制作したオブジェを設置してきました!





オブジェの下は砂利を敷き、水が地中深くまで浸透するように細工を施しております。
木で制作したオブジェですから、もちろん朽ちていきます。
その過程でキノコが生えてきたりもするかもしれません。
オブジェがボロボロと朽ち剝がれてきたら、菜園や植込みスペースで土に還してもらうこととなります。
そこでは糸状菌なども生じることでしょう。
命が循環する庭です。  


Posted by 艸木 at 13:02Comments(0)

2024年02月18日

2月18日の記事



崩積みと丸太による土留めが仕上がりました。
菜園を囲うのはコバノサンダンカ。
他に、オキナワシャリンバイやトベラ、アガベアテナータを。
石の隙間にはイシギク、ヤブラン、ムラサキオモト、アスパラスプレンゲリー、オリヅルラン、カンゾウを植えました。










海が近いのでイシギクをたくさん植えています。
自生しているかのようにうまいこと馴染んでもらえれば嬉しいですね!









土の中の空気が動き、水が浸透し、崩積みによる石とすき込んだ落葉や枝葉を棲家として植物、微生物、虫、ミミズなどの小さないきもの達が共存することで安定した環境となり、たっぷりと養分を含んだ水が海へとつながり・・・、この庭がすこやかな生態系を支えていく循環のひとつのポイントとなれば嬉しいかぎりです。  


Posted by 艸木 at 10:04Comments(0)

2024年02月14日

2月14日の記事



この日の朝は、菜園の畝立てのための枝が必要なので、まずはサルスベリの剪定作業です。





スッキリ。





畝立てに丁度良い量の枝が出ました。
山に入り、山のお世話をしつつ暮らしに必要なものをいただく里山暮らしは今の沖縄では難しいですが、庭の世話をしながら資源を循環させ、土に還すことはできます。
循環させることは傷んだ環境を回復させることへとつながっていきます。




さて、畝立てです。
畝を立てるところを幅60cm、深さ15~20cmくらい掘って、落葉と枝をたっぷり敷き込み、炭ともみ殻燻炭をばら撒いていきもの達の棲家作りです。




15~20cmくらい落葉、もみ殻燻炭を混ぜた土で畝を立て、軽く踏み固めます。
その上にまた落葉ともみ殻燻炭を敷き込み、さらにまた15~20cmくらい落葉、もみ殻燻炭を混ぜた土をかぶせます。
今回はそれをもう一回繰り返してできあがりとしました。




これを繰り返し5列の畝ができました。
微生物やミミズなどの小さないきもの達の棲家となった畝。
土はむき出しにせず落葉で覆うと良いのですが、これだけの面積を覆う落葉を集めるのは大変なので今回は草木チップで覆いました。(写真がなくてすみません)
これから、お施主さまが、野菜の種を蒔いたり、苗を植えたりされるにあたり、いろんな種類の野菜を植えていただく混植をおすすめさせていただいております。
単一野菜を〇〇cm間隔で整然と植え、化学肥料を施し、雑草はこまめに抜き、あるいは除草剤を用い、病害虫が発生すれば薬剤散布をし・・・という管理型(統治・制御型)の方法ではなく、
多種類の野菜を混植してもらい、雑草は抜くのではなく刈るようにし刈ったものはそのまま敷き込み土に還す。
すこやかな命の循環を考える。
それぞれの存在を尊重し、生存を脅かすことなく自由でいられるように。
化学肥料、除草剤、薬剤散布が私たち人間や自然にどのような影響を与えるのかを調べ、知らなければなりません。
小さないきもの達の生存を脅かし、小さないきもの達と植物との協力関係を壊し、それらの成分が土中に蓄積されたり川や海に流れ込んだりすることが多くの命に与える影響を考えていきましょう。
やれることはいろいろあります!










  


Posted by 艸木 at 09:34Comments(0)

2024年02月08日

2月8日の記事



崩積みと丸太による土留めが完了し、
これから低木と草ものの植栽や菜園の畝立てへと進んでいきます!




石の隙間に植物を植えると表情がガラッと変わるので楽しみです!




土を入れる前に、刈草をたっぷりと敷き込みます。(今回は刈草がたくさんありましたのでそれを使いましたが、落葉や小枝を敷き込むとなお良いです。)
そうすると、ひと月も経たないうちにミミズやアリ、その他たくさんのいきもの達が土の中に棲みつくようになります。
庭づくりは、いきもの達の棲家づくりでもあり、それができると健やかな循環が生じるようになり、人も自然もいきもの達も協力し合い共に生きていく環境となるのではないかと思うのです。
造園はやりがいある楽しい仕事です!  


Posted by 艸木 at 08:22Comments(0)

2024年01月22日

1月22日の記事



写真の春菊、葉を収穫すればするほど次々に新たな葉を出してくれて、
鍋、サラダ・・・食べても食べてもキリがないほど。うれしい。

これは太めの枝を使ってのプチ花壇。
落葉をすき込むだけで、乾燥してパサパサだった土も命ある土へと変わります。
落葉ってすごいんです!
そして、落葉と一緒にいる微生物のおかげ!

苗を植えた時は水やりをしますが、その後は様子を見ながら1~2回だけです。
植えてから4日目以降は雨まかせ。
10日以上雨が降らなくたって全然大丈夫。
おそらく植えてから3~4日間で苗と微生物の協力関係ができあがっているのではないかと推測します。

これまでの経験から、落葉をすき込まない生命力のない無機質な土だとこうはいかない。
水やりの卒業までかなりの期間がかかっているように思います。
葉っぱが水切れの合図をすぐに出してきます。









こちらのミニトマトも土に落葉をすき込んだだけ。
他に肥料とかは何も与えていません。
赤くなると、鳥がすぐに食べに来ますので、頃合いを見計らい朝一の収穫を心がけています。
ここのトマトは人が3、鳥とかが1くらいの割合でそれぞれのお腹に入っております。

落葉を土に混ぜるだけで植物が元気に育ってくれるお手軽で簡単な方法です。
わずかなスペースでも、土の中では多くの生きものたちが活動してくれていて、土に命が宿ります。
そこは、生命力ある土となります。
雨水がその土を通して地下に浸透し、川や海へとつながっていくことをイメージしてみて!
たくさんの生きものたちに影響を与えていることを!



  


Posted by 艸木 at 07:45Comments(0)

2024年01月13日

1月13日の記事



崩積みで土留めをしています。
石積みは土地の呼吸を塞ぐことなく土留めができる昔からの方法です。





着工前の写真。
小山に見えるのは着工前に敷地を草刈りしたときの刈草です。




一般の方々はコンクリートで作られたL型の土留めの断面を見る機会があまりないかと思いましたので写真をのせますね。
このような土留めで土地を囲ってしまうと土中の空気と水の流れが滞ってしまい、木を植えても何だか元気がないとか弱くて病気がちってことにもつながってきます。
もし、これを読み、「うちの庭はコンクリートで囲われてる!だから木に元気ないんだ!」とお思いの方、ガッカリせずとも大丈夫。
ちゃんと救済する方法があります。そのあたりも手がけていく現場に応じ、いずれお話ししていきます。

幸い、こちらの現場では水の出口となる敷地境界がフルオープンでしたので、土地が呼吸をできる崩積みで土留めができることとなりました。




崩積みでは作業工程として石の裏側に土を入れていくのですが、石の安定に支障のないところへは枝葉や落ち葉などの有機物を挟んでいくことでそこが微生物などの小さな生きもの達の棲み処となり、植えた木々もそこへと根を張り巡らせ、石積みをより安定させてくれます。
みんなで協力し合い、住む世界を成長させ安定させ調和させていこうという方向を目指すわけです。
ただ土を入れて転圧しただけでは空気と水の流れが不足したり滞り気味になる。
そういうことがわかっていると刈草を入れながら嬉しくなってくるわけです。草刈しながら愉快だなぁと思えて来るのです。
自然から出たものはありがたく、喜びに変換できるようになっている。ありがたい!


  


Posted by 艸木 at 07:57Comments(0)

2023年12月31日

12月31日の記事



少しずつ植物も増え、木々も成長してきた今日の庭です。





一昨年頃の庭。
70~80cm掘ると地下水が流れているという土地です。
大雨が降ると地下水の水位も上がります。
以前は水位が下がるまで長らく時間がかかりまりたが、今はずいぶん早く下がるようになりました。
呼吸が回復してきてるなぁと嬉しくなります。


木のおかげで水と空気が循環し、たくさんの命が恩恵に与っています。
それらの木々は土とそこに棲む多くの微生物などと協力し合い命をつないでいます。
なので共生している微生物が何らかのことでいなくなったりすると巨木が枯れてしまうということも起こり得ます。
人類は木によって生かされています。
木だけではなく多種多様な生態系とそれら命を育む自然によって生かされています。
地球を命あるものとして見ることができなければ私たち人類が健やかに生きていくことは難しいでしょう。
緑豊かな都市や町をつくるということは、ダメージを与えてしまった自然を回復させ、壊してしまった生態系を復活させること。
それは私たち人類が子々孫々、心身ともに健やかに生き生かされることができるように環境を整えるということ。
地球が健康であれるような社会をつくっていくのは人間の責務。
人間が健康で幸せな人生を送りたいのであれば、地球が健康でなければそれは実現できない。
地球に守られ、自然によって生かされているのが人類。
微生物により木々が生かされ、木々により微生物が生かされているように、
人間により多種多様な生態系が維持され地球が健康であり、それら自然により人間が生かされているという健全な関係を結ぶことができる社会をつくっていきましょう。それは何も高度難解なことではなく、庭先からすぐにできること。
庭先から大地の呼吸を回復し、生命力ある水と空気が循環できるようにすること。
その小さな一歩は、人が自然により生かされ、地球が健康であれる社会をつくる力強い一歩。
新年を迎える今日、その力強い一歩を踏み出し歩み続ける決意をもって皆様方への感謝と喜びの言葉にかえさせていただきます。
皆様方におかれましては、元気で明るく喜びに満ちたよいお年をお迎えくださいますよう心よりお祈り申し上げます。  


Posted by 艸木 at 11:13Comments(0)

2023年12月16日

12月16日の記事



オリーブの移植をしてきまました。
昔、花壇に植栽してから15年、建物解体にともないオリーブを移植したいというご連絡をいただきました。
早速お伺いすると、移植先にはオリーブを植えれそうな場所がなかったので木製プランターを作り植えることになりました。







名護の現場ということで、プランターは事前につくってから搬入することに。












オリーブは全部で3本。
この小さな花壇でも場所によりそれぞれの根の状況が異なっており、なるほどなぁなどと思いながらの仕事でした。







移植がきっかけで、お客さまとも久々にお会いすることができ嬉しかったです。
名護の市街地での仕事でしたが、作業中、通りかかる人々との何気ない会話などがあったりするのですが、みなさん心があたたかい。
お客さまももちろんのこと、穏やかで優しいんです。心に沁みました。

  


Posted by 艸木 at 19:10Comments(0)

2023年12月03日

12月3日の記事



花壇の植栽です。
植栽前は花壇立ち上がりの下部に3か所排水用の穴があり赤土が入っていました。
このまま植えるのは好きじゃないので内部の確認をかねて赤土を取り出すことに。
掘ってみると出てくるのは土埃ばかりで生きものの気配は無し。
花壇の底はコンクリートが打たれており、その上に10cmほど砂利が敷かれ、あとは赤土という状況。
底のコンクリートを斫るかコア抜きして路盤材を水が浸透するところまで掘ることができればいいのですが、そこまではできない事情がありますので、さてどうするかと思案。








コンクリートで囲われた巨大なプランターと化した花壇の土の中で多くの微生物が少しでも棲みやすい環境を作りたいわけです。
やはり、ここでも、炭、もみ殻燻炭、枝葉、落葉を投入。
それから、通気口として節を抜いた竹を何か所も差し込みました。
ちょうど不要となったヨシズがありましたので、深さ30~40cmほどの小さな穴をたくさんあけてバラしたヨシズと燻炭、落葉を差し込んでみました。
経過の写真を撮っていなかったので言葉だけでわかりにくいかと思いますがご勘弁を。

こういう種類の植物は水のやりすぎに気をつけましょう。
こちらの花壇は雨があまりあたらなさそうでしたので、冬場なら1ヵ月に1回、夏場なら1ヵ月に2回くらいを目安に、植物のコンディションを見ながらということになります。
普通は、雨まかせで大丈夫。





あとは今後の経過をみて判断です。
うまくいけば植物たちは元気に育っていくことでしょう。
やり方がまずければ弱っていきます。
弱るようであれば、またその時に必要と思われることをしていけばいい。




全然関係ないけどブログを更新しながら昼ごはんの準備をしていたら目玉焼きに醤油と間違ってポン酢をかけてしまった。
やっちまったと思いつつ渋々食べたら意外と美味しくてびっくりだ。

そうそう、仕上げにはドライガーデン風にしてほしいというリクエストで支給された石を置いたのですが、石をベタっと土の上に置くのではなく、なるべく隙間をつくることで空気が流れるようにし、いきものたちが遊べるようにしています。
密閉されると息苦しいのは人も植物も小さないきものたちもみんな同じですね。



  


Posted by 艸木 at 14:46Comments(0)

2023年11月22日

11月22日の記事



本日は「ユッカ ロストラータ」入荷!
ロストラータは相変わらずの人気です!  


Posted by 艸木 at 15:56Comments(0)

2023年11月21日

11月21日の記事



アテナータ、ドラセナドラコなどいろいろと入荷してます。
鉢植えのままでも地植えしてもヨシです!
沖縄は涼しくなりガーデニングにもってこいの季節に突入です!
植えてすぐに台風がくるとダメージが大きいですが、今時期から植栽すると、来年の台風シーズンまでにはたくさんいい根が出てくれます!
「たくさんいい根を出して、来年の暑い夏と台風に備えるんだよ」と声かけしながらの植込みです。





柱サボテンとドラセナドラコ。




アテナータ。




こちらもドラセナドラコ。

  


Posted by 艸木 at 11:59Comments(0)

2023年11月19日

11月19日の記事



建設工事をする際、土を固めて基礎工事をします。
そうすると、雨水は深いところへ地下浸透ができなくなり、表面を流れたり浅いところで滞るようになります。
水が大地に浸透しないということは地中の通気もほとんどなくなってしまっているということで、
この状態は「大地が呼吸ができなくなっている」という表現になります。
人間は脳で思考し、肺が呼吸を助け・・・、ということになっています。
樹木を解剖しても脳も肺もでてきませんが、彼らは意志を持ち、思考し、呼吸をしていることが科学的に明らかにされています。
思考や呼吸などの目に見える形態が人間とは異なるだけなのです。
そのことを地球、自然界にあてはめてみるといいかもしれません。
彼らの、意志、呼吸とはどういう形態なのだろうかと。




建設工事などによって水の地下浸透や通気口をふさがれ、呼吸ができなくなってしまった大地でも再び息ができるようにすることが、呼吸を回復させることができます。
呼吸を回復させることは、自然を安定させることにもつながり、土砂崩れや河川の氾濫などを軽減あるいは防いだりということへもつながります。
大地が呼吸を取り戻すと微生物や虫などの小さな生きものたちも増えて活発となります。
また、人間の腸内にいる菌は土壌にいる菌は共通しているものが多いようです。
単純な表現となりますが、善玉菌が多ければ健康で元気の要素へと傾き、悪玉菌が増えれば不健康で元気がなくなっていきやすいというようなもので、大地も同様で呼吸ができるようになると善玉菌が増え、呼吸がふさがれると悪玉菌が増えということになり、人間の健康にも影響が出てくるということも研究で明らかになっているようです。
地球の健康と人間の健康はつながっていて、別物ではないということです。
大地が呼吸を取り戻すことは、傷ついた自然が、地球が回復し健康を取り戻していく一歩となります。
傷ついた自然、、傷ついた大地はどこにあるのか。
それは私たちが建設工事などによって暮らしている場所、まさに足元なのです。
だから庭から傷ついた自然を回復させていきましょう!ということになるのです!
庭の土が元気になれば、小さな生きものたちも活発となり、木々も元気になり、人間も元気になる。
それが広がれば、自然は豊かなものとなり、地球も元気になっていく。
そんな夢のような世界にしたいと思っているのです。





我が家の庭も小さな生きものたちがたくさん棲みついてくれるようになりました。
落葉や剪定した枝葉はそのまま土を覆うように被せておけば、糸状菌なども出てきてくれますし、小さな虫たちもたくさんいるようになります。
庭から、みんなが明るく元気でいきいきと生きていけるような世界に!





  


Posted by 艸木 at 10:23Comments(0)

2023年10月14日

10月14日の記事



地球、自然、人・・・、すべてはひとつながりの命。
菌類など目に見えない微生物が介在している。
スザンヌ・シマ―ド氏は著書「マザーツリー」で
これは「どうすれば私たちが森を救えるか」についての本ではない。
これは「私たちが木々によって救われる可能性」についての本である。
と述べている。

これから年末にかけて庭のお手入れの依頼が多くなります。
住宅地での仕事となりますが、感じるのは庭に元気がないということ。
現代の土木や建築技術がコンクリートやアスファルトで土を覆う工法となりますので、土は呼吸ができずに、土中の水は滞る。表面を流れる水は細かな土を動かし土の通気孔を塞いでしまう。
表面から5~10cmまでの土はパサパサに乾き、その下は湿気が滞っているケースも多い。
先日、作業した庭もそんな感じの庭でした。
シークヮーサーが年々元気がなくなっているということで、土を掘らせてもらいました。
庭には微妙な高低差があります。
10cmほど土が高い場所の根は生きていましたが、低いところでは根は菌類により分解されておりました。





土を掘り進め、深さ80cmほどで水が湧いてきました。
ご近所の地形からして、こちらの庭は低い位置にあるので水が集まりやすくなっているのかもしれません。
問題はこの集まってきた水の出口がないということ。
ゆっくりじわじわとどこかに浸透していっているのだと思うのですが、集まってくる水に対して排出が少なすぎて地中で滞水しているのだと感じました。
建物と外構の基礎で閉じ込められた庭の土は、呼吸する孔がなく、水も溜まりやすくなります。
これでは、木々は元気がなくなるのは当然のことです。
木の根は水や養分を吸うだけではなく、呼吸もしていますから。
ましてや、木を元気にしてくれる菌類などもこのような環境では育ちにくいこととなります。
それではということで、庭が呼吸できるように土中に空気の通り道をつくることにしました。



まずは炭を敷き、ネトロンパイプを差し込みました。




琉球石灰岩と燻炭で土中の通気を確保。



生きている根の付近には落ち葉を入れ、土を被せました。
(落ち葉と土は混ぜてから入れればよかったと思います。)




その後は、剪定したマサキの枝葉をネトロンパイプに突っ込んだり、敷いたり。





落ち葉をのせたり、土を被せたり、燻炭蒔いたり、そんなことの繰り返し。
最後は、マサキの枝葉を地表にまき散らしておしまいとしました。

作業をしながらお客様とお話しをする機会がちょこちょこありました。
よくよく話を聞いていくと、以前はシークヮーサーの根元付近(ちょうど根が分解されていたあたり)で野菜を作っていたとのことでした。
シークヮーサーが大きく育ち、日陰になってしまったから野菜づくりをやめてしまったようです。
その後、カミキリムシが入り、シークヮーサーは年々元気がなくなっていったとのことでした。
野菜作りの際、土の表層10~15cmは耕していたようで、それが土中の空気を動かす良い働きかけだったと思うのです。
それをやめたため、土中の空気と水の動きが滞り、木が弱り、カミキリムシが入ったという流れだと思います。
たった10~15cmのことですが、土の中ではものすごい環境変化となるのですね。
今回は根が分解されているのを見ることができたわけですが、これって、根が分解されてその部分が空洞になると、水と空気の通り道ができるということにつながります。そうすると、土はまた呼吸ができるようになり元気を取り戻せるというわけです。
自然の力ってすごいなぁと思います。
人間がコンクリートやアスファルトで蓋をしても何とかしようと頑張っているんです。
それに人間が手を貸せば、加速度を増して自然は回復していくことと思います。






縁石で区切られた場所は縁石に沿って溝を掘りました。
こちらも同様に水が湧いてきました。



炭や燻炭を撒き、ネトロンパイプに枝葉を差し込み、要所要所に琉球石灰岩グリ石を入れてます。







枝葉や落ち葉を入れて、燻炭蒔いて、土を被せての繰り返し。
完成写真は撮り忘れましたが、今回はここまでの作業で終了。
欲を言えば、15mくらい離れたところに排水桝があったのでそこまで水の道をつなぎたかったです。
それを作れば、土の中の水と空気は大きく動きだし、いろんなところで元気が回復するだろうと思ったからです。
お金はいらないからやらせてくれ!という気持ちになります。
しかし、あちこちでそれをしてしまうと生活できなくなってしまうので涙を飲んでここで一区切りです。
水と空気の循環が滞ると、庭に元気がなくなります。
みんなで土が呼吸をできるようにしていければ嬉しいです。
そして、いい菌が棲みつきやすくなり、木々が元気になれば、人間も元気になります。
ひとつながりの命ですから。

そういえば、お百度参りっていうのが昔からあります。
家族の誰かが病に臥せったりすると、病気が良くなりますように願ってお参りするというもの。(他にもいろんな願掛けがあるようですが)
ここからは私の想像です。
神社には大木も多くありいい菌がたくさん棲んでいるわけです。
お百度参りをするたびに、そのいい菌を持ち帰るわけです。
その菌が病に対して何らかの効果があったのではという想像。
まったく効果がなければ、そんな風習は続いていないわけでなどと思ってしまうのです。


  


Posted by 艸木 at 15:38Comments(0)

2023年09月09日

9月9日の記事



屋根に竹をのせました。
棕櫚縄で竹を括り付けていきます。
棕櫚縄は使う前に水に浸しておきます。
そうしないとギュッと締まらないし、扱いにくいです。





竹の隙間が狭くて棕櫚縄を通せないときは、鋏とかを差し込んで隙間を広くして通します。




昔読んだ本で佐野藤右衛門さんが「棕櫚縄は使う前に水で浸しておく、それが日本の伝統や。」みたいなことを言っていました。
長い間、伝統と権威権力をひとまとめにしてしか見れなかったものですから、その頃は素直にその言葉と接することができませんでした。
生きていくことに必要だったり役だったりすることが伝統として引き継がれています。
あっ!そんなことなの!っていう、ほんと、わかればどうということの程でもないことですが、知らないとどうにもできないこと。




突然ですが、きれいな海!
「これは直に接したい!」ということで砂浜に降りてみました。









人のためのビーチではないので、砂浜に降り立つには写真のような原生林みたいなところを搔い潜って行きます。
クチャの上にはたくさんの落ち葉。
どんどん歩いて行くと、次第にクチャと海砂が混ざり合うようになり、アダンも多くなってきました。
そこにも変わらずたくさんの落ち葉がありました。
そして、砂浜に降り立ち、海に向かうと・・・。





一番初めにお出迎えしてくれたのはウツボでした。
浅瀬を泳いでいたことに驚きましたが、出会えたことに感動!





ヤドカリもたくさんいました。
数百匹どころか数えきれないほどのヤドカリの子供たちが群れをなしていました。
アダンもあるし、食べるには事欠かないということでしょう。
他にも魚やカニ、名前もわからない生き物たちで溢れかえっていました。
この多くの生き物たちを育んでいる一つの要素として、豊かな山林があります。
山での生き物たちの活動による落ち葉や微生物などのおかげで多くの養分を含んだ水が海へと流れていくことがどれほど海の生き物たちにとっての滋養となっていることか。
ちょっとイメージしてみてください。
ここの海に接している山が、更地にされてすべてコンクリートやアスファルトで埋め尽くされ、落ち葉もないような景観を。
そのことにより、海はどうなってしまうのかを。

山も海も川も、地球に棲む多くの生き物たちも、人間もひとつながりの命です。
人間が山や海の健康を損なうようなことを行えば、いずれそれは人間自らに返ってくることは、明らかなこと。

多くの人間が自然と共に、自然と共に生き、暮らしていた頃もありました。
今は個人の目先の利益が優位となり、全体との調和を気にかけることが少なくなったと感じるのは私だけでしょうか。
もちろん、全体の調和を優先し、個人を犠牲にすることはあってはなりません。
個人個人が生涯にわたり自分で自分の内面を成長させることは最重要と言ってもよいのではないかと私は思っていますので、全体のために自分の内面の成長を放棄するようなことはNOなのです。
全体のことと個々のことのバランスは大切です。
健康であったり、明るく元気であったり、暮らしやすく信頼できる社会であったりすることは、個々人が自らの内面と向き合い成長させるためによい環境を整える、基盤をつくるということになるのではないかと私は考えています。
成長のためにはしばしばネガティブな出来事が必要となりますが、その壁に対峙するとき、そのような基盤があるのとないのとでは向き合い方が違ってくるのではないでしょうか。
そうした基盤づくりの一環としての庭づくりであったりもするのです。
自然環境をよくするために技術的にあれをしようこれをしようというのは、やろうと思えばできるものです。
それをするときに、自己の内面の成長を置き去りにしてはいけないのです。
その両方を意識して行えることが心のこもった仕事と言えるんじゃないかなぁ思うのです。









豊かな自然は一朝一夕になったものではありません。
永い年月をかけて自然が作り出したものです。
たくさんの時間といろんなことがあって作られたのが今私たちが目にしている愛ある自然の姿。









  


Posted by 艸木 at 12:29Comments(0)