2020年08月26日
北中城村Ⅰ邸の庭
5月某日、建築家K氏より連絡があり打合せへ。
「アダン、ゲットウ、クロトン・・・、田中一村の絵画の世界をここにつくりたい」と依頼されました。
これは、たいそうなことになってしまったと思いつつも、田中一村は私の好きな画家のひとりでもあるのでひそかな楽しみともなりました。
キッチンから見える植栽。
窓を開けると、庭との距離がグッと近くなり、居室と庭が一体となります。
植栽の背景となっている石張りは建設会社さんの施工です。
欲を言えば、自分が石張りしたかったなぁといったところです。
クワズイモの幹の曲がり具合もいい感じで庭になじみました。
書斎からの眺めです。
海沿いの植物であるアダンやハマユウと人里や低林地にある植物を大きめの石で区切りをつけ、違和感が少なくなるようにしています。
(やんばるでは山裾と海がくっついているような場所もあり、そうした場所ではアダンのすぐ横にクワズイモやゲットウがあったりもしますが)
そして、奥へ行くにつれ植栽を濃いめにしております。
アダン、ハマユウ、クワズイモが野生を象徴し、クロトンやサンダンカが野生と向き合う人の暮らしの象徴。
窓を開け放つと、そのせめぎ合いの中に住人も参加することになります。
大自然という命の中で人が生きるとはどういうことなのか、人間の中にある野生とは何なのか、いろいろと問いていくのも面白いかもしれません。
Posted by 艸木 at 12:10│Comments(0)
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